三多気の桜の魅力は、ソメイヨシノと違った趣のある山桜であること、山道を登ることで桜並木が背景の山々に生え、また、民家や田んぼ、茶畑など山里の風景と合わさって魅力的な風景を作り出していることだ。
三重県津市美杉町は、かつて南北朝時代に南朝を支え、伊勢国司として栄えた北畠氏の本拠であり、大和と伊勢を結ぶ伊勢本街道が通る交通の要衝でもあった。美杉町三多気にある真言宗真福院は北畠一族の祈願所であった。
真福院の参道には約1.5kmにわたって山桜が植えられ、古木、老木の桜並木が続いている。山桜はソメイヨシノのように華やかではないが、山桜の花のピンクが赤みを帯びた新芽の色と合わさって美しく、歴史を想いながら桜並木を歩くのも良いものである。
なお、左の写真は筆者が撮影し、NHK津放送局の「みえ百景」に応募して放映されたものである。